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副腎髄質ホルモン

副腎髄質

副腎髄質ホルモンとは、副腎髄質から分泌されるホルモンのことで、アドレナリン(エピネフリン)とノルアドレナリン(ノルエピネフリン)が主に作られています。
副腎髄質から分泌される約80%はアドレナリンで、残りのほとんどはノルアドレナリン、そして僅かにドーパミンが分泌されます。

3種類の分泌物の中でアドレナリンやドーパミンという言葉はテレビなどでもよく耳にすることもあるでしょう。
私たちの耳覚えの良いアドレナリンやドーパミンは、スポーツ選手、特に格闘技などの競技の際に聞くことが多いはずです。

私たちの体は常に外部からの刺激に反応を起こしています。
痛みや気温の暑さ寒さにおいて体は刺激を受けて副腎髄質から分泌物が生成されているのです。
刺激は外部だけではなく人間の感情の起伏によっても受けます。

興奮したり緊張や不安を感じた時、外部ストレスと同じように体内で分泌物がつくられるのです。
これは血圧などを安定させる目的のためです。

副腎髄質ホルモンを検査して調べると病気の可能性の有無を調べることができます。
検査方法は簡単で、尿や血液から調べることが可能です。

そこから分かることとして、数値が高値であった場合は甲状腺機能低下症や心不全の疑いがあります。
反対に数値が低い場合、起立性低血圧などの疑いがあります。

副腎髄質と交感神経

副腎髄質は解剖学的にも交感神経節と同等の組織であるため、脳から電気信号で交感神経に命令を送り続けると、多くのエネルギーを必要とします。
そのためホルモンという物質が、命令を保ったまま血液中を巡っています。
つまりエネルギーの効率を上げるために巡っているということになるのです。

ですが電気信号と違い速度が遅く、緊急の際には間に合いません。
交感神経は「闘うのか、逃げるのか」という緊急時に使われますので、このタイムロスは生物としては致命傷になります。
そのためまず神経に電気信号で伝わり、ホルモンにその内容が保持されるという手段が使われています。
つまり「闘うのか、逃げるのか」というときに使われる神経は交感神経であり、ホルモンはアドレナリンが使われるのです。
格闘技の放送の際にアドレナリンという言葉が使われるのはこのためなのです。

怒りが収まらない理由

ですがこの高ぶった気持ちを抑えるには時間が掛かります。
神経は電気信号ですので、瞬間的に落ち着くことは可能ですが、命令を保持している物質は分解しなくては消えません。
そのため闘争や怒りなどの感情を抑えるには、アドレナリンを分解する時間、すなわち落ち着くために時間がかかるのです。

カテコールアミン類が血中に出てから半減期は約40秒だと言われています。
分泌量にも差がありますので、それ以上の時間はかかるということです。