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下垂体前葉ホルモン

脳下垂体前葉

脳下垂体前葉で作られるホルモンの総称を、下垂体前葉ホルモンといいます。
このホルモンは前葉にある細胞で作られ、視床下部から下垂体門脈を通ってくる各種のホルモンにより刺激や抑制されています。
下垂体前葉ホルモンは、成長ホルモン、生殖腺刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、乳汁分泌ホルモンなどがあります。

成長ホルモン

成長ホルモンは、その名の通り成長期に最も多く分泌され、成長促進作用や代謝作用を促し、身長を伸ばします。
成長期に急激に身長が伸びるのはこのためです。
この成長ホルモンは深い睡眠をとっている時に最もよく分泌されるので、身長を伸ばすにはよく寝ることが必要であり、「寝る子は育つ」という言葉は、科学的にも正しいことなのです。

成長に必要なホルモンですので小児や成長期に欠乏すると、体の成長や発達が遅延することがあります。
また成人であっても、作用が低下すると、新陳代謝の低下により、疲れやすくなります。
体がだるくなってきたり、集中することができないと思ったら、成長ホルモンの作用が低下しているのかもしれません。
ただし、過剰分泌も、巨人症、末端肥大症といった症状・病気を引き起こすため、適量分泌であることが大切です。

その他のホルモン

生殖腺刺激ホルモンは、性腺刺激ホルモン、ゴナドトロピンとも呼ばれる生殖腺の働きを促すホルモンのことを指します。
それぞれの性的特徴に携わるホルモンのため、男女で分泌されるホルモンが異なります。
男性では精子形成ホルモン、女性では卵胞刺激ホルモン、そして男女ともに黄体形成ホルモンがあります。

男性は睾丸の機能を調整し、精子形成を行います。
女性は卵巣の機能を調節し、月経・妊娠に向けた身体の変化を行います。
そのためこのホルモンが低下すると、男性はED、女性は無月経になり、思春期前では二次性徴が遅れることになります。

甲状腺刺激ホルモンは、甲状腺を刺激しその機能を調節するホルモンです。
その量が減ると、甲状腺ホルモンの分泌が減少していき、神経系や心臓の機能が低下するといわれています。
また、代謝にも携わるため、日常生活にも支障が出るほどの症状が、起きてしまうのです。

例えば、視力、聴力の低下、全身が重く、倦怠感を覚えるなど、非常に恐ろしい病気になってしまいます。

副腎皮質刺激ホルモンは、副腎に作用して副腎皮質を刺激し、副腎皮質ホルモンを促します。
低下すると全身倦怠、悪心・嘔吐、筋力低下、低血糖などの症状がでてきます。

乳汁分泌ホルモンは、乳腺が発育して、妊娠を継続させるための働きをみせます。
そのため、女性だけのホルモンだと思われがちですが、過剰分泌になると性腺機能低下を起こすことがあり、男性においても問題があるのです。